2007年10月 4日 (木)

家から牛が

家の前で写真を撮ろうと思ったら、中からぞろぞろと牛が出てきました。知人が田舎で民家に泊まったら、朝、牛におしっこをかけられて目が覚めたと言っていました。羊や鶏ならまだわかりますが、牛も人と一緒に家の中で生活してるわけですね。なんか狭そうだなぁ。

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2007年9月26日 (水)

コーヒーハウスの驚異

写真のブンナベット(コーヒーハウス)に限らず、丸いドーム上の屋根を持ったレストランや建物はあちこちで見ることができます。エチオピアの伝統的な家屋を模したもので、単純に言えば、大きな傘を立て、回りをぐるりと壁で囲んだだけの構造です。日本のように吊り天井にもしません。写真のブンナベットに、初めてブンナ(コーヒー)を飲みに行ったときのことです。内部の直径は4mほど。中央にコーヒーセレモニーのセットが置かれ、乳香が焚かれています。壁に寄りかかるようにぐるりと座った我々一行。向かい側の人とはけっこう離れていますから、つい大きな声で話しかけていました。しばらくして、私は隣の人と話していたのですが、なにやら変な声が耳の後ろから聞こえてきます。

思わず丸いドーム状の天井を見上げキョロキョロしていると、それを察して向かいに座っていた人が「こちらの声が良く聞こえるでしょ」と言ってきました。確かに、向かい側で普通に話す声が、頭の上からはっきりと聞こえてきます。なんとも驚きですが、声が天井のドームを伝ってこちらに届いているようです。向かい側との会話には苦労しませんが、逆にひそひそ話もできません。果たしてそれは計算し尽くした上での設計なのか、それとも結果的にこうなったのか。いずれにしろ、エチオピア人はこの特性を有効に利用しているということです。

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2007年2月16日 (金)

エチオピアの家

各国で、各地域で、家はもっともその民族の知恵が注ぎ込まれた産物だと思います。数千年にわたる気候風土との戦いの上に築き上げられた、その土地に特化したインダストリアルデザインの完成形。これはもうよそ者がああだこうだ言うことではありません。例えば、日本の家が「木と紙でできていてすぐ燃える家」などと揶揄されようと、我々日本人は誇りを持って住んでいるわけです。もし、自分に建築の知識があれば、エチオピアの家を見てもう少し気の利いたコメントを思いつくかもしれませんが、とりあえず素人の視点で、いくつか典型的なエチオピアの家をレポートします。

■構造
ひとつの典型的な家の造りが、大きな傘を建て、まわりを木の壁で囲っていくものです(写真:オロミア州トゥルボロ)。木材はすべてユーカリ。アムハラ人が持ち込んだユーカリの木は、今はエチオピア全国で薪に材木にと大活躍しています。骨組みを作り、壁を土で塗り固め、屋根を藁で葺いたら完成。傘のてっぺん、つまり大黒柱の先端にポットのようなものをかぶせる地域もあります。この辺は各部族の美意識の表れでしょう。とにかくとてもシンプル。でもけっこう頑丈そうです。家ができあがるまで3〜4週間といったところでしょうか。

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■内部
アムハラ州アデットで見せてもらった家の写真です。家の外観でまず「?」と思ったのは、煙が屋根からもやもやっと出ていたことです。中に入ると料理の煮炊きの煙が充満していました。煮炊小屋を別に造っている家もたくさんありますが、コーヒーを入れたり乳香を焚いたりするので、結局家の中はいつも煙に包まれています。なんで煙突を造らないのかなと思っていましたが、後日「それは常に藁葺き屋根をいぶして虫がつかないようにしている先祖の知恵なのだ」ということを聞きました。納得。でも煙い。土を盛り上げたベッドもあるし、きっと中はがらんどうだろうという予想ははずれました。何よりデザインが凝っています。それと、たいていの家には家畜スペースがあって、大切な家畜は主人たちと一緒に寝起きしているそうです。

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■北部の家
エチオピア北部では、石造りの家がたくさん見られます。基本構造は変わらないと思いますが、木のかわりに石を積んで壁を造っているのが特徴です。石が簡単に手に入らない南部とはちがって、そこら中に石がごろごろしている北部では、この資源を使うのは当然というわけです。しかし、畑の開墾については、この石がそうとう農民を苦しめたのではないでしょうか。デブレブラハンで見た家は、大黒柱が1本ではなく2本あるようで、それによって家の形が丸から長円形になっていました。そのぶん構造が複雑になりますが、より広い空間が確保できそうです。

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■南部の家
南部諸民族州は広大な面積を持ち、その名の通りいくつもの民族で構成される多民族地域です。家の形態も各民族によって異なることは容易に想像できますが、とりあえず、州都アワサからそれほど遠くないホサイナという町の近郊で見た家を紹介します。ご覧の通り、基本構造は変わりませんが、屋根だけでなく、家全体を藁葺きにしているところが、なんともおしゃれで雰囲気満点です。この地域は雨が多いので、土壁よりはこうして全体を藁葺きにした方が通気性が良く快適なのかもしれません。また、それまで他の地方で見た家とくらべたら、ひと回りサイズが大きいのが印象的でした。収穫物を家の中で貯蔵するとか、小型家畜 (羊、鶏) ではなく大型家畜 (牛) を家に住まわせるとか、家が大きい理由はちゃんとあるのだと思います。

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■東部の家
エチオピア東部の乾燥地域では、近年は政府による遊牧民の定住化政策が進み、家を建て、定住生活を選択する人が増えています。ただ、もともと定住という生活様式には向かなかった土地ですから、建築材料も乏しく、あまり立派な家はありません。ディレダワ近郊で見た家も、土造りの小さなもので、一見すると「貧困の結果?」などと考えがちです。しかし、日中40度以上にもなる厳しい太陽の日差しを防ぐには、厚い土の壁で囲うのがもっとも経済的かつ効果的です。雨がほとんど降らないので、家の内部はカラッと乾燥していてとても快適です。もともと、家の中のように空気がよどんだ場所にはできるだけいたくないという人達ですから、寝るためだけの家としてなら、これで必要十分ということなのでしょう。

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■家を建てる時期
エチオピアの人達は、どういうタイミングで家を建てるのでしょうか。大きな区切りとしては、日本と同じく結婚があげられます。新婚さんはやはり新居に、ということで、結婚するときは式の費用だけでなく、家を新築する費用も必要になります。イスラム教徒は4人まで妻をめとることができる、ということは日本でもよく知られていますが、東部の乾燥地域はイスラム教徒が多く、やはり複数の女性と結婚している男性がたくさんいます。マタハラで会ったカラユ族の男性は、2人目の妻をめとったことから、隣に家を新築しました。もとの家には1人目の奥さんとお母さん、新しい家には2人目の奥さんを住まわせ、自分は毎日交互に両方の家で暮らしているそうです。なんとも不思議な社会ですね。

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